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10 August
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日本企業の米国企業の買収は引き続き盛んです!

2018.8.10 23:55

米国での日系企業のM&Aが盛んです。

今日(8月10日)付けの日経新聞にも、花王がオハイオ州の業務用洗剤メーカーの米ウォッシングシステムズを数百億円で買収したとの記事がありましたが、2018年も、日本企業の米国への投資は活発な状態が続いています。

2017年の日本の対外直接投資は、前年比3.0%減の1,686億ドル(約18兆円)(国際収支ベース、ネット、フロー)で、ピークの前年から微減となりましたが、過去2番目の高水準が続いています。国・地域別ではEU向けが17.8%減となった一方、アジアが回復しました。アメリカ合衆国向けは横ばいとなりましたが堅調に推移し、日本による米国への直接投資総額は約520億ドル(5.8兆円)を計上し、全体の構成比約30%を占めています。

アメリカ合衆国は、日本にとって、8年連続で最大の投資先国となっています。中国、インド、ASEAN諸国を含めたアジア全域への直接投資額の総計が約383億ドル(4.2兆円)(全体構成比23%)であることを考慮すると、多くの日本企業が、依然として、最も現実的かつ魅力的な投資先として米国を選択していることが分かります。国別での米国への直接投資額は、日本は最近は常に1位から3位の間に入っていますが、2017年も英国(約540億ドル)に次いで第2位となっています。

日本企業の対米投資は、M&A、グリーンフィード投資とも堅調で、例えば、M&Aでは2017年には武田薬品工業やコマツ、ルネサスエレクトロニクスによる米同業に対する大型買収などが行われ、また、グリーンフィールド投資では、トヨタ自動車とマツダが同年 8 月に完成車の生産合弁会社設立を発表しましたが、16億ドルを投じてアラバマ州に年産能力30万台の新工場を建設する計画で、2021 年の稼働を予定しています。

2018年も、トランプ政権による税制改革等の政策変更の後押しを受け、さらに日本企業による対米M&Aなどの直接投資が活発化しています。今年新聞等に取り上げられた米国企業買収を以下にリスト化してみましたが、旭化成やリクルートのような大企業だけではなく、ユーザベース社の米オンライン経済情報メディア「Quarts」の買収(7500万ドル)、ゴルフダイジェスト・オンライン社の米国のゴルフレッスンチェーンを運営するGOLFTECの子会社化(約21億円)など、スタートアップ・新興企業による米国企業買収なども盛んになり、米国企業を買収する日本企業は今後さらに裾野を広げていくと予測しています。

 

・SOMPOホールディングス、米国独立系保証保険会社Lexonを買収。

・電通、米国デジタルマーケティングのHelloWorldを買収。

・日立製作所、米国診断レポート作成支援のVidiStarを買収 ヘルスケア事業強化

・資生堂、米国Olivo社から「Second Skin」関連事業を譲受け。

・リンクアンドモチベーション、米国で福利厚生サービス展開のFond社に出資。

・未来創生ファンド、空のタクシー開発Joby Aviation(米国)に投資

・カネカ、米国ヘンケル社から高機能複合材事業等を譲受け

・電通、米国のブランドデザイン会社Characterを買収

・アステラス製薬、米国バイオベンチャーUniversal Cellsを買収

・エムスリー、治験支援事業のWakeを買収 米国での治験事業開始

・丸紅、アメリカの太陽光パネル試験事業会社Renewable Energy Test Centerを買収

・江崎グリコ、米国チョコレート製造販売のTCHO Venturesを買収

・光学機器メーカーのトプコン、米国3次元点群データ解析技術開発企業ClearEdge3Dを買収

・エア・ウォーター、米国炭酸ガス関連機器メーカーTOMCO2 SYSTEMS COMPANYを買収

・アルプス電気、無線システムの開発設計などの米国エンジニアリング会社Greina Technologiesを買収

・博報堂DYホールディングス、アメリカの統合デジタルマーケティングサービス提供会社Kepler Intelligence Platformを買収

・レンゴー、アメリカの重量物包装資材メーカーAldez Containersを買収

・リクルートHD、12億ドルでアメリカのオンライン求人サービス企業Glassdoorを買収

・電通、アメリカのデジタルマーケティング事業会社Media 8を買収

・日本電産、約10億ドルでアメリカ家庭用電化製品メーカーのコンプレッサ事業を買収

・住友林業、約393億円でアメリカの集合住宅開発事業等承継会社を買収

・TDK、アメリカの電源IC設計ベンチャー企業Faraday Semi を買収

・ブリヂストングループ、アメリカの油圧ホース販売・サービス会社Industrial Rubberを買収

・楽天、アメリカの位置情報技術を活用したサービス提供のCurbSideを買収

・東海カーボン、341億円でアメリカのカーボンブラックメーカーSid Richardson Carbonを買収

・NISSHA、アメリカの医療機器メーカーSequel Special Products, LLCを買収

・ゴルフダイジェスト・オンライン社の米国のゴルフレッスンチェーンを運営するGOLFTECの子会社化(約21億円)

・オリックス、アメリカのアセットマネジメント事業会社NXT Capital, Inc.を買収

・日立製作所の米子会社、アメリカのパブリッククラウドサービス事業会社Rean Cloudを買収

・大塚製薬、抗体医薬を設計する独自の抗体プラットフォーム技術を有している米国のVisterra Inc. を3億ドルで完全子会社化

・旭化成、自動車用内装材メーカーの米Sage Automotive Interiorsを買収(約7億ドル)

・ユーザベース社、オンライン経済情報メディアの米Quartzを子会社化(7500万ドル)。Quartzは2012年に設立され、北米・世界市場で約2000万人の読者を持つ

 

(注)財務省、日本銀行の「国際収支統計」、米国商務省の「FDI in the U.S.」、新聞記事、各企業発表資料等を基に作成しました。