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12 March
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アメリカ子会社経営の断絶ポイントについて

2018.3.12 10:59

前回のブログでは、経営体制の違いによって、断絶ポイントが異なることまで話しました。

1の場合は、まずは、問題の本質を本社側が把握できるかというコミュニケーションギャップがあります。深刻な問題ほど客観的に報告されず、また、例えば、売上減少、利益率の低下、予算目標の未達成などの明らかな問題についても、根本的な原因がわからず、本社側は的の射ない指示を繰り返し、問題の深刻化や現地経営陣とのギャップの拡大を招いてしまう場合があります。本社と現地経営陣の断絶が深まると、海外事業担当取締役や現地リエゾンオフィサーは、「そんなことできない。やれるものなら、あなたがやってみろ」と現地CEOから言われ、本社側からは「なぜ100%子会社を管理できないのか」と言わることになります。

2の場合は、現地日本人会長・CEOとアメリカ人部門長やCOOとの間が、断絶ポイントとなります。まずは、その日本人CEOが、オペレーションやお客様との関係の中で生じている問題を的確に把握できるかどうかのコミュニケーションギャップの問題があります。さらに、仮に問題を把握し変革を実行しようとした時には、巻込みギャップが生じます。通常は、本社から派遣されている現地日本人トップは、本社の中では最も異文化コミュニケーションに優れた人が派遣されていますので、現地日本人トップが現地アメリカ人経営陣を巻き込んで問題の本質を認識できなかったり、変革を実現できない場合には、本社側でも的を射ない指示を出し、一方、日本人トップは、指示を出し続ける本社側と、変革の実行に動いてくれない現地アメリカ人経営陣の間に挟まれ、非常にストレスを抱える状況になります。このようなストレスを経験した経営トップは、深刻な問題ほど問題を矮小化して、自らの赴任期間が終わるのをじっと待つことになり、現地経営陣はトンチンカンな指示を出し続ける本社側やCEOへの信頼を失ってしまいます。

3の場合は、日本人現地トップと本社側の断絶は少なく、また、前回触れましたが、3のBの経営体制の場合でも、日本の取引先が米国に進出する際に一緒に米国進出し、大部分の売上がその日本の取引先の現地法人であるような際は、この経営体制で上手く回っていることがあります。しかしながら、現地オペレーションチームや現地サプライヤーとの断絶により、現地経営陣が危機の兆候を発見できなかったり(コミュケーションギャップ)、お客様からの苦情を解決するために、現地オペレーションチームや現地サプライヤーを改善・改革できないこと(巻込みギャップ)が生じます。この場合の断絶ポイントの問題は、本社側はなかなかその本質を発見できず、また、表面的な問題認識・的を射ない指示・援助を実施することになります。また、このような経営体制の中の現地日本人トップは、1や2の場合と比べてストレスが低くなりますが、現地オペレーションの様々なレベルで断絶が生じているため、最も深刻な事態となってしまう傾向があります。

次回は、このような断絶をどのように克服していくかについて考えていきます。